- Log in to post comments
2020/05/15(金) 10:20 — toshi
-----------------
オンライン会議室jitsi-meetの使い方入門とさらに上手に使うために
-----------------
オンライン会議室、jitsi-meetの使い方のセミナーをオンラインで開催します。
すでに使い始めているみなさんもおられる一方で、オンライン会議には関心が
あるが、実際に使えるかどうか不安に感じている方もおられると思います。ま
た、すでにZoomなど他の会議室システムを使っているので、あえてJitsi-meet
を使う必要もないと感じている方もおられると思います。Zoomなどの商用サー
ビスではなく、オープンソースとして提供されている仕組みであることの意義
を私たちは重視しています。コミュニケーションの権利は売り物ではありませ
ん。できる限り、技術も含めて私たちが関与できること、透明性が確保されて
いることが大切だと考えています。
4月にひきつづきですが、全く初めての方と、使ってみたけれども思うように
いっていないという方の両方の方たちが参加できるように、二つに分けて開催
します。オンラインでの開催ですから東京以外の方もこの機会にご参加くださ
い。
----------------------------
(1)Jitsi-meetの利用がまったく初めての方。
5月24日(日)午後 3時から5時
主に、会議室に入室できるかどうかの確認も含めたサポートをします。パソコ
ンなどの操作でわからない場合は電話でのサポートも行ないます。
(2)4月のセミナーに参加された方。あるいはすでにjitsi-meetの経験をおもち
の方
5月24日(日)午後7時から9時
すでに会議室を利用した経験のある皆さんを対象に、より使いやすい方法や、
使ってみての問題点などをお互い共有します。
特に、一旦Jitsi-meetを使ったけれどもうまく使えなくて断念した経験のある
方の再度の参加をお待ちしています。
------------------------------
各8名程度ですが、人数が増えた場合は複数のグループを設置します。
参加資格は特にJCA-NETの会員に限りませんのでお誘いあわせの上ご参加くだ
さい。
■■申し込み方法■■下記に「5月セミナー参加申し込み」と書いてメールを
お送りください。なおグループで参加されたい場合は参加者全員のメールアド
レスをお書きください。
toshi@jca.apc.org
小倉利丸
参加に先立って、時間が許せば、下記のマニュアルをお読みください。このマ
ニュアルは4月以降改訂され追加の情報が掲載されていますので、4月のセミナー
の際に既にお読みになっている方も再度アクセスして目を通してください。
マニュアル
https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/QMPfEBrXmtCRqB4
スマホ版(スマホ版をお読みの場合も上記のマニュアルに目を通してください)
https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/ir7BAabQ6YbQi9S
■■グループなどで別の日程で実施を希望する場合■■
上記日程とは別の日程で、グループなどでまとまってJitsi-meetを使いたい
場合は相談してください。
日程など可能な限り対応します。
問い合わせ先
toshi@jca.apc.org
070-5553-5495
小倉利丸
=================================
以下、Jitsi-meetについて紹介します。
こうした特徴などについてもセミナーでは議論できるようにします。
Jitsi-meetは、インターネットのウエッブブラウザを使って会議を開催する仕
組みです。Zoomやマイクロソフト社のTeamなどと似た仕組みですが、ソフトの
インストールやユーザー登録などが不要で、企業が商用サービスとして提供す
る仕組みとは異なる特徴もあります。
Jitsi-meetのホームページ
https://jitsi.org/
(1) オープンソースとして開発が進められており、特定の企業が営利目的でサー
ビスを独占しているものではありません。
オープンソースであるということは、セキュリティやプライバイーなどに関す
る全ての技術が利用者に公開されており、企業秘密や特許にあたるものがあり
ません。誰でも、仕組みを検証し、必要な設定の変更や自分の環境に合わせて
修正することができます。
プログラムなどの公開先
https://github.com/jitsi
(2) 世界中に知られているだけでも200近くのjitsi-meetのサーバーがありま
す。
基本的に、jitsi-meetは無料で誰もが使える形で提供されています。その一
部ですが以下にjitsi-meetの会議室の一覧があります。このリストから自由
に会議室を選んで会議を開催することができます。
https://framatalk.org/accueil/en/info/
日本では、JCA-NETが下記のふたつのサーバーを提供しています。
https://jitsi.jca.apc.org
https://jitsi-01.jca.apc.org
また、以下も利用できます。
https://idobata.dararevo.org
このサーバーはJCA-NETの小倉が試験的に月1000円程度の格安のサーバーを借
りて設置したものです。安価に自分たちで会議室を設置できるというメリット
の実証のために設置しています。
(3)登録など不要。無料、匿名で利用でき、会議のやりとりは暗号化され、会
議終了後にサーバーには会議内容、参加者の記録は残りません。(必ず無料と
というわけではなく、有料での提供をしているサイトもあるようです)
Jitsi-meetの会議室サイト(上のURL)にアクセスすると新しい会議室がすぐ作
れる状態になっていることに気づくでしょう。登録など本人確認は一切求めら
れません。公共施設であれ民間の貸し会議室であれ、部屋を借りるときには何
らかの登録作業や本人確認を求められるのが普通です。しかし、そうした手続
きなく匿名で使用できてしまいます。
誰でも作れるということは、不審な者が自分の作った会議室に侵入する危険性
があるのでは、とか、本当に勝手に作っていいのだろうか?あとで何か金銭の
請求があったり、何かの詐欺ではないかと疑うかもしれません。しかし、誰で
も作れるけれども、設置された会議室に参加できる人を確実にコントロールす
る仕組みが用意されています。
(4)会議室に第三者が侵入してしまうことを防ぐ二つの方法
予期しない人物が参加できてしまう理由は、ユーザ登録のIDとパスワードが漏
洩して悪用される場合などです。この二つが漏洩しないような仕組みがjitsi-
meetでは工夫されています。
ひとつは、ユーザー登録とユーザーパスワードの仕組みがない、ということで
す。そもそもないので、盗みようがない、というわけです。
そのかわりに、会議室の名称を複雑で推測いづらいものにすることをサポート
する仕組みがあります。会議室トップページで会議室を設置する際に、複雑な
名称の会議室を自動で推薦してれます。英単語をいくつか繋いだものですが1
兆通りの選択肢があると言われています。これをそのまま使っても構いません。
そうでない場合は、推測されにくい長い名前の会議室名が推奨されています。
URLがわからなければアクセスできないというネットの特性を利用した対処方
法です。
もうひとつはパスワードです。jitsi-meetにはユーザー登録がないのでユー
ザー認証に必要なパスワードもありません。
ネットで匿名性を守ることは容易ではありません。特に、非公開の会議やプラ
イバシーを扱う人権団体、弁護士、医師などの会議では、サイトやソフトの選
択については慎重であるべきでしょう。個人情報の漏洩のなかでもサイトに登
録したパスワードが、ユーザー側の不注意で盗まれることによる侵入行為が起
きています。Zoomの会議室もパスワードの漏洩による会議室荒しの例みられま
す。Jitsi-meetは登録パスワードがないのです。サーバーにも保管されるべき
パスワードがありません。だから盗みようがないのです。
Jitsi-meetでも唯一設定すべきパスワードがあります。それは、その都度会議
室を開催した際に設定される一時的なパスワードです。このパスワードは、会
議の主催者(最初に会議室を設置した人物)が設定し、会議が終了すると破棄さ
れます。このパスワードは会議の最中にも変更できます。会議を妨害するよう
な人物を追い出してパスワードを変更し、再入室できないように処理すること
ができます。再度同じ名称の会議室が設置されてもパスワードは継続されませ
ん。あらたに主催者が、別のパスワードをそのつど設定しなおします。面倒な
ようですが、パスワードの漏洩を防止するためのなかなか上手い仕組みです。
しかも、会議の記録などは一切サーバー側には保管されません。会議が終了す
ればデータは全て失なわれます。このような仕組みは、実空間の会議の設定と
はかなり異なる会議のセキュリティの仕組みです。こうしたネットに固有の
セキュリティについてもセミナーでは説明したいと思います。
(5)暗号化されたコミュニケーション
Jitsi-meetは、その開発の当初からプライバシーとセキュティに関心をもって
開発されてきました。コミュニケーションはインターネット上では端末相互間
で暗号化されます。ただし、サーバー内で一箇所、技術上の制約からどうして
も暗号が一時的に復号化されざるをえない状態になります。この箇所があるの
で「ホップバイホップ暗号化」と呼ばれています。この箇所を除くとインター
ネット上は暗号化されます。そのためにjitsi-meetのサーバーを管理している
個人、団体がきちんとプライバシーの保護を遵守しているかどうかが重要にな
ります。信頼できる個人や団体がサーバーを管理していることを確認すること
が大切です。JCA-NETはこの点も含めて利用者の個人情報や会議室の利用内容
を把握することはありませんし、上に紹介した私が設置した会議室でも一切の
会議内容を把握していません。
(6)自分たちで設置することができる
とはいえ、それでもアテにできない、心配という場合は、自分たちで独自に会
議室を設置することも可能です。小規模であれば月1000円程度のレンタルサー
バーでも会議室が設置できます。オープンソースであるということの優れた点
は、技術が開放されていて、設置方法のマニュアルも公開されているとい点に
あります。この利点を十分に活用することも検討してください。(jitsi-meetの
サーバー設置のお手伝いもできます)
(5)デメリットもあります
しかしjitsi-meetにはいくつかデメリットもあります。特に参加人数には制約
があるという点が最も影響が大きい問題です。諸外国含めて、さまざま報告さ
れており、100名を越える利用ができている場合もありますが、多くの場合少
人数での利用、とくに10名前後の利用までが現実的のようです。現在、技術的
な改良のための議論が活発に行なわれていますが、少額の投資でも設置できる
とはいえ、この場合は、サーバーや回線に制約されて参加人数が限定されざれ
るをえないでしょう。
JCA-NETでも20名程度までは会議ができるように、世界各地の技術者や利用者
の議論を参考に、サーバー側でできる努力をしています。この意味でも、使っ
ていただいたときの不具合などの情報は貴重です。是非使いながら改良に協力
していただければと思います。(小倉利丸)