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団体賛同をお願いします。
(共同声明)サイバースパイ・サイバー攻撃法案(サイバー安全保障関連法案)の廃案を要求します―サイバー戦争ではなくサイバー領域の平和を
2025年3月7日
国会に2025年2月7日に上程された「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案 及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」(以下サイバースパイ・サイバー攻撃法案(※)と呼ぶ)の廃案を求めます。野党は一切の修正提案や修正協議に応じることなく、一致団結してきっぱりと廃案を要求すべきです。
※正式の法案名は、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案及び重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案。現在統一された略称はありません。
理由1:本法案は明確な違憲立法です
サイバースパイ・サイバー攻撃法は、サイバー犯罪やサイバー攻撃などの事実がなくても通信情報の取得を認めており、しかも当事者の同意なしでも通信情報取得を可能にしています。また、「無害化」と称してサイバー攻撃に使⽤されているサーバー等の脆弱性を利⽤して警察や自衛隊等によるハッキング行為を合法化しています。しかも、こうした行為は、裁判所の令状に基く必要のないものとしています。
これらの行為はいずれも憲法の通信の秘密、言論表現の自由、検閲の禁止、令状主義に違反するばかりか、従来の政府による憲法解釈すら否定するものです。
国会には憲法に違反して法律を制定する権限はありません。従って本法案については廃案以外の選択肢はありえません。
理由2:法案の立法事実には重大な疑念があります
内閣府が作成した法案の「説明資料」では「サイバー攻撃関連通信や被害の量」として、2023年には6億パケット以上の攻撃があり「各IPアドレスに約14秒に1回の攻撃試み」との記述があります。この記述は「攻撃」を誇張しており、また、実被害の多くは政府や企業、個人の基本的なセキュリティ対策が十分ではなかったところを突かれたもので、警察や自衛隊によって対処できるものではありません。現行法の枠内で十分対処可能であり、あえて新法や整備法を制定する理由はありません。
理由3: 本法案は国際法に違反します
また、サイバースパイ・サイバー攻撃法が対象としている通信情報は日本国内だけでなく海外の情報も対象として含まれ、しかも日本が取得した通信情報を同盟国などに提供することも認めています。もしこの法案が成立した場合、その被害は世界規模になります。国際法上も、通信の秘密やプライバシーの権利は重要な人権上の権利として定められており、本法案は国際法違反ともなります。[注]
理由4:「アクセス・無害化」はサイバー領域を戦争に巻き込むことになります
サイバースパイ・サイバー攻撃法は、サイバー領域をいわゆるサイバー戦や情報戦などの舞台とし、自衛を名目とした武力行使を含む戦争に日本が積極的に関与することを可能にするものです。能動的サイバー防御とも呼ばれる「アクセス・無害化」の考え方は、自衛隊のいわゆる敵基地への先制攻撃と関連し、攻撃と報復の応酬を引き起しかねません。サイバー領域全体を巻き込んだ情報操作や、サイバー領域全体の網羅的な監視・取り締まりの強化、いわゆる「敵」のソフトターゲット(民間人や民間の建物など警備や監視が手薄で攻撃されやすい軍事目標)を狙うなどの行動をその重要な役割とするものです。これは、サイバー領域の戦争への加担に他ならず、自衛隊・警察に限らず、中央政府や自治体、企業、研究機関、団体、一般の市民の動員も想定されることになります。サイバー領域が戦争に巻き込まれるとき、従来の戦争で想定されている武器の他に、私たちのパソコンやスマホもまた「武器化」し、人々が容易にサイバー部隊に動員され、企業もまたサイバー領域での戦争行為に容易に加担することが可能になります。
理由5:サイバー領域における平和こをそ希求すべき
サイバー領域を戦争に巻き込む体制が世界規模で急速に進行するなかで、私たちは、むしろサイバー領域をこれ以上戦争に加担させないための行動をとる必要を痛感しています。サイバー領域はまさに、コミュニケーションの中枢を担う領域であるからこそ、この領域を戦争のために利用したり、戦争に巻き込んだりすることは絶対に許してはなりません。むしろ私たちが希求すべきことは、サイバー領域における平和です。サイバー領域から自衛隊を含む軍隊や警察の活動を排除するだけではなく、民間企業や私たち一人一人がサイバー戦争に加担したり、強制されたりすることを徹底して禁じる必要があります。サイバー領域が文字通りの意味で、国境を越えて、多様な民衆を相互に繋ぐコミュニケーションの場となるためにも、サイバー領域における平和が今こそ求められているのです。
残念ながら日本政府の態度は、このサイバー平和とは真っ向から対立するものと言わざるをえません。通信の秘密、表現の自由は民主主義社会の基礎です。能動的サイバー防御はこれを否定するものです。
以上、私たちは、サイバースパイ・サイバー攻撃法を廃案とすることを強く求めるとともに、自衛隊、行政、民間企業によるサイバー戦争への加担に反対します。
2025 年 3月 7日
<呼びかけ団体>
JCA-NET
戦争に協力しない!させない!練馬アクション
ATTAC Japan(首都圏)
ふぇみん婦人民主クラブ
すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川
盗聴法に反対する市民連絡会
共謀罪 NO!実行委員会
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会
賛同方法(団体賛同のみです)
ウエッブのフォームから賛同
https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/apps/forms/s/B2igaQPyq2sc…
メールまたは FAX での賛同
[メール]no-cyber-war@protonmail.com
[FAX]045-788-0838
1.団体名
2.連絡先となる個人の方のお名前
3.連絡先のメールアドレス
●なお、以下の団体の賛同はお断りします。
*ジェンダーや民族、エスニシティなどへの差別を肯定・助長する主張をする団体
*暴力の手段によって異論を排除する団体
問い合わせ先
no-cyber-war@protonmail.com
賛同署名の締切 未定
[注]
・世界人権宣言 第12条 https://www.amnesty.or.jp/human-rights/what_is_human_rights/udhr.html
何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。 1966年国際人権規約(ICCPR) 「何人も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。 」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c_004.html (「不法」という文言が追加された)
・1990年 国際連合「コンピュータ化された個人データ・ファイルに関するガイドライン」https://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/intnl/guid_PersonalDataFile.h…
1条「合法性と公正の原則 (PRINCIPLE OF LAWFULNESS AND FAIRNESS)個人情報は、不正または違法な方法で収集または処理されてはならず、また、国連憲章の諸目的と諸原則に反する目的で使用されてはならない。」
7条「セキュリティの原則 (PRINCIPLE OF SECURITY)事故による喪失もしくは破壊のような自然災害だけではなく、無権限アクセス、データの詐欺的な濫用、コンピュータ・ウイルスによる汚染のような人為的災害に対しても,ファイルを保護するための適切な措置が講じられなければならない。」(ただし6条に例外規定あり)
共同声明の使用方法について
廃案を目指した以下の活動に利用します。
・賛同団体などのウエッブやSNSで公表
・チラシとして、集会などでの配布
・国会議員などへのロビーイング
・マスメディアへの広報
・この他廃案の活動に必要な範囲で活用します