7月2日「沖米軍による性暴力事件と情報隠蔽を許さない!外務省正門前スタンディング」が行われた。

昨年12月、沖縄米軍空軍兵士による少女への性暴力事件がおき、3月には起訴されていたのに沖縄に伝えず公表したのは6月25日だった。外務省が事件を知りながら沖縄に伝えなかったことに女性を中心に約350人が集まり、性暴力の隠蔽を許さないと次々怒りの声をあげた。

国会議員でただ一人駆けつけてくれた社民党の福島みずほ党首は、外務省は事件をいつ知ったのか言わないだけでなく、遅れた理由として被害者の名誉とプライバシーを守るためと言い逃れをしたが、早く公表していれば第2の事件を防げたかもしれない。女性の人権を守るには、性暴力をなくす、日米地位協定の見直し、通報する義務の徹底が必要だと発言。

基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代さんは、「岸田首相が6月23日の慰霊の日において、沖縄の負担軽減をする、と言ったが、この中に人権は入っていないのか!日本・米国の法律の間に挟まれ、被害者を守ると称して加害者を守っている。性暴力事件は沖縄だけでなく日本全体の問題だ」と力強く訴えた。

3月の岸田首相の訪米、6月17日の沖縄県議選への影響を考えて公表しなかったのだろう、早く公表されていれば結果は違っただろう、悔しい!との声もあった。

この他、性暴力当事者の方たちが、今もPTSDで苦しんでいること、名誉とプライバシーを守るためといって明らかにしないのは二次被害を重ねることになる、と勇気を振り絞っての発言は参加者の胸に響いていた。

リレートーク最後、「首都圏から外務省による性暴力の隠ぺいをなかったことにせず、真相究明と責任追及を続けていく」とコールをして終わった。なぜ性暴力はなくならないのか、軍隊の暴力性とその連鎖を強く感じる。(中森圭子 JCA-NET)


以下は、7月2日の外務省前行動参加者一同として採択された声明です。

在沖米軍による性暴力および情報隠蔽に抗議する緊急声明

2023年12月、在沖米空軍兵長による少女への性暴力事件が 発生し、2024年3月には那覇地検が不同意性交等の容疑で起訴していたことが、報道で明らかになりました。また今回、外務省は那覇地検が起訴した3月27日までに事件を把握していたにもかかわらず、6月25日まで沖縄県に情報を共有していませんでした。これは6月17日投開票の沖縄県議会議員選挙での争点化を避けるため、かつ、6月23日の首相や米軍関係者が参列する沖縄戦慰霊式典への影響を避けるための情報隠蔽としか考えられません。今回の事件以外にも米兵による性暴力事件は多発してきたにもかかわらず、近年、警察が情報を公表しない傾向が強くなっていることも指摘されています。

 私たちは、米兵による性暴力が何度も繰り返される状況を許してきた米軍及び日本政府に強く抗議します。また、日本政府による情報隠蔽、特にその口実として「被害者のプライバシー」が利用されることに強く抗議します。被害者のプライバシーに配慮しつつ情報を自治体・市民と共有することは可能であるばかりでなく、あらゆる性暴力、ジェンダーに基づく暴力を根絶するためにも不可欠です。

 米軍基地がもたらすさまざまな人権侵害の中でも、性暴力は、被害者に対するスティグマや、性暴力を軽視する司法制度のために、不可視化される傾向が続いてきました。埋もれた被害を掘り起こしてきた沖縄のフェミニスト団体の努力、また、あらゆる性暴力被害者の権利が守られる司法制度をめざしてきた多くの人びとの努力にもかかわらず、政府が「被害者のプライバシー」を盾に、必要な情報を隠蔽することは許されません。なぜ沖縄県への情報伝達が遅れたのか、警察が事件を公表しなくなっている傾向の背景に何があるのか、沖縄県にとどまらず基地があるすべての地域を対象に調査し明らかにするよう求めます。

日本政府は現在、国連安保理決議第1325号にもとづき、「女性・平和・安全保障」の積極的推進を掲げています。この決議の核心は、平和・安全保障に関わる意思決定への女性の平等な参加であり、そのためには透明で民主的な意思決定プロセスが不可欠です。わたしたちは、これまでの軍事的国家安全保障が、ジェンダーにもとづく差別・暴力と植民地主義の上になりたってきたことを認識し、市民、とりわけ直接影響を受ける人々の声が平和・安全保障の意思決定に反映されるよう求めます。

わたしたちは、国家安全保障を優先して、軍人による性暴力・ジェンダー暴力を不可視化し、過小評価し、許容してきた日米両政府に強く抗議します。あらゆる性暴力を許さず、基地押し付けと闘う沖縄の人たちと連帯します。

2024年7月2日 在沖米軍による性暴力事件の隠蔽を許さない!
抗議スタンディング 参加者一同
(出典:ふぇみんブログ)

呼びかけ団体
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)、アジア女性資料センター(AJWRC)、ふぇみん婦人民主クラブ、シングルマザーのつながるネット まえむきIPPO、エトセトラブックス、WILPF京都、ActNow!!Kagawa、平和を考え行動する会、沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志、ATTAC japan(首都圏)、多摩ほうせんか、平和憲法を守る荒川の会、バスストップから基地ストップの会、立川自衛隊監視テント村、JCA-NET、盗聴法に反対する市民連絡会、全労協女性委員会、こころネットワーク、Activists for all、沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー、沖縄の基地を考える会・札幌、平和憲法を守り、行動する神奈川女性の会、沖縄に応答する会@あきた、本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会、日韓反核平和連帯・福岡、沖縄に応答する会@山形、日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク、G7広島サミットを問う市民のつどい、すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川、相模補給廠監視団、非核市民宣言運動・ヨコスカ.ヨコスカ平和船団、レイバーネットねりまの会、性暴力禁止法をつくろうネットワーク、全国フェミニスト議員連盟、日韓民衆連帯委員会、辺野古新基地問題を考える川越の会、本と喫茶 サッフォー、I女性会議、軍拡NO!女たちの会・北海道、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、平和を学ぶ会 台東、Stop!辺野古埋め立てキャンペーン、反安保実行委員会、反差別国際運動(IMADR)、やさしいまちをつくる会きたく、モッシューもうセクハラを許さない女たちの会・ながさき、足立・性的少数者と友・家族の会、あつまれ辺野古500人行動、アイム89 Aの会、アジア連帯講座、チバリヨ~辺野古応援団、東京・強姦救援センター、許すな!憲法改悪・市民連絡会、ティーチイン沖縄、日本基督教団西中国教区基地問題特別委員会、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、時を見つめる会、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、アダンの会、沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会、Monthly「ちゃぶ台」各銘舎、フラワーデモ北九州、日野・生活者ネットワーク、市川市平和委員会、Compass(ジェンダー平等社会を目指す盛岡市民の会)、安保法制の廃止をめざす中野アピール実行委員会、怒り━━沖縄の米兵性暴力を許すな0712準備チーム、ハイナンNET、フラワーデモ埼玉、島じまスタンディング、JFOR日本友和会・首都圏ブロック、市民と政治をつなぐ江東市民連合、STOP大軍拡アクション、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、市民連合めぐろ・せたがや運営委員会、「憲法」を愛する女性ネット、『反天ジャーナル』編集委員会、天皇制問題情報交換会、平和をつくる大和市民の会、沖縄が気になる私たちの会、ウィメンズ・アクション・ネットワーク、基地・軍隊はいらない4・29集会実行委員会、表現の自由を市民の手に全国ネットワーク、沖縄の映画を観よう!かわさき、島ぐるみ会議と埼玉を結ぶ会、下町23シスターズ、「女の平和in長崎」、合意してないプロジェクト、町田•生活者ネットワーク、語やびら沖縄 もあい練馬、SOSHIREN女(わたし)のからだから、川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会、女性参政権を活かす会、公益財団法人ジョイセフ、RAWAと連帯する会、戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会、研究所テオリア、女性ホームレスグループ・ノラ、福岡•戦争に反対する女たち、人権の21世紀をつくる文化のつどい実行委員会、NPO法人フェミニストカウンセリング東京、NO BASE STOP RAPE 黙ってら連、安保関連法に反対するママの会@ちば、#なんでないのプロジェクト、部落解放同盟東京都連品川支部、(公財)日本キリスト教婦人矯風会、北京JACふくおか、日本YWCA、Praise the brave、ストップ秘密保護法かながわ、一般社団法人Colabo、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会、共同行動のためのかながわアクション、SRHRユースアライアンス、ノースドック配備反対ネットワークかわさき、フェミブリッジ@福岡、フェミブリッジ北九州、沖縄戦の史実歪曲を許さず沖縄の真実を広める首都圏の会、(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)、NPO法人コミュニティ・ネットワーク・ウェーブ、いのちと暮らしを守る女たちの会・梨の木舎、W7ジャパン2023実行委員会、生活ニュースコモンズ、緑フォーラム、日本平和委員会、Hawai’i Peace and Justice、Community member from Hawai’i、Our Common Wealth 670、International Peace Bureau、戦没者の遺骨を遺族のもとへ連絡会、沖縄を再び戦場にさせない県民の会、新時代アジアピースアカデミー(NPA)、Prutehi Litekyan Save Ritidian (記入順・全134団体)
(出典:アジア女性資料センター)