以下の重要な国際共同声明が出されました。


人権団体は、ガザと世界中のパレスチナ人に対する物理的・デジタル的な即時停戦に関する公開の呼びかけに加わる

原文掲載:2023年10月20日最終更新:2023年10月23日 2023年10月23日

内容注:以下の投稿には暴力と戦争への言及が含まれている。

私たちは、ガザで続いている流血を終わらせ、人道的大惨事を食い止め、パレスチナ、イスラエル、レバノン、そしてそれ以遠で罪のない人々の命がこれ以上失われるのを防ぐため、即時停戦を求める公開の呼びかけに賛同し、署名したものである。私たちはさらに、各国政府、国際機関、ハイテク企業、その他の国際的な利害関係者に対し、イスラエルによるガザの市民への無制限かつ無差別な攻撃を可能にし助長してきた自らの行動に責任を持ち、即時停戦とより永続的な平和の実現に必要な措置をとるよう求める。これには、世界中のパレスチナ人を標的にしたオンライン攻撃に即時終止符を打つための「デジタル停戦」を支持することも含まれる。

10月17日現在、4,200人以上が殺害、数千人が負傷、行方不明、がれきの下敷きになっていると報告されている。さらに110万人のパレスチナ人が、イスラエル軍によってガザ北部からの避難を命じられ、安全な避難所もない。国連によれば、これは人道に対する罪である市民の強制移送に該当する。保健施設や職員に対する度重なる攻撃を含め、現在も続いている残虐行為は、計り知れない破壊、トラウマ、民間人の命を奪っている。この絶え間ない暴力のエスカレートは、ガザに対する違法かつ非人道的な封鎖が、何百万人もの人々から食料、水、医薬品、電力などの基本的なニーズを奪っていることの上に成り立っている。

ガザの人々は、軍事占領と、現在ではアパルトヘイトのシステムと理解されているような不正義のもとで56年間暮らしてきたが、ほぼ完全な通信遮断も経験している。情報は途絶え、現地で行われている残虐行為を記録する能力は著しく妨げられている。インターネットへのアクセスが途絶え、通信インフラが標的とされたことで、ソーシャルメディアや主流メディアにおいて、偽情報キャンペーン戦争プロパガンダの拡散が助長され、現地で行われた残虐行為について、生の情報にアクセスして検証したり、独立した調査を行ったりすることが難しくなっている。

グローバルに見れば、パレスチナの声やその大義を支持する人々は、偽情報、検閲、オンライン・ハラスメントDoxingシャドーバニング(文末の訳注参照)など、広範なデジタル抑圧キャンペーンによって、声を封じられ、沈黙させられている。日頃から人権の強力な保護を訴えている政府が、オンライン・オフラインを問わず、表現の自由平和的集会を取り締まることで、イスラエルの無差別攻撃を助長している。同様に、ソーシャル・メディア企業はこれまで、そのプラットフォーム上で憂慮すべきレベルの偽情報や誤報に対処することができずオフラインでの暴力人間性の否定を助長し、民間人に対する攻撃を正当化している。不公平で偏ったコンテンツモデレーションポリシーの過剰な実施と相まって、パレスチナ人を黙らせ、無力化する結果となっている。

現地のイスラエルによる人道的封鎖に加え、Medical Aid for Palestine(MAP)をはじめとする救援団体を狙ったサイバー攻撃により、人道援助の流れも寸断されている。リソースや報道を提供するウェブサイト、通信社、集団は、定期的なDDoS攻撃に直面し、ウェブサイトダウンする原因となっている。一方、イスラエルの司法長官は、ガザから24時間365日の生中継を提供する現地特派員を擁する数少ない国際メディアのひとつであるアルジャジーラの事務所を閉鎖することを承認し、ガザにおける報道の自由と情報へのアクセスをさらに妨げている。

こうした障壁にもかかわらず、人権擁護団体やジャーナリストたちは、紛争が始まって以来、10月7日にハマスによるイスラエルでの民間人への攻撃や、イスラエル当局によるガザでの継続的な軍事攻撃の過程で、複数の国際人道法違反の証拠を記録してきた。そのような違反行為には、イスラエルによる人口密集地での白リン弾の使用も含まれ、これは民間人に対する不法な無差別攻撃と見なされる。ジャーナリストが標的にされ、開戦以来少なくとも21人が殺害されたほか、援助物資がガザに届くのを妨害している。民間医療施設も繰り返し攻撃を受けており、10月17日(火)にアル・アフリ・アラブ病院で起きた爆発を含め、医療施設に対する51件の攻撃で15人の医療従事者が殺害、27人が負傷した。

国際社会は、即時停戦を確実にする義務がある。人命の継続的な損失をなくすことが最優先されなければならず、政府、企業、その他の利害関係者はそれぞれ、敵対行為終結の呼びかけに加わることで、人権を尊重し保護する義務を果たさなければならない。

すべての紛争当事者は次のことを行うべきである:

  • 医療、エネルギー、通信インフラを含む民間インフラを無差別に標的とする行為を直ちに中止し、さらに広くは、都市部における爆発性兵器の使用を停止すること。
  • 民間人を保護するために実行可能なあらゆる予防措置を講じ、無差別かつ不均衡な攻撃を控えること。
  • 自由を奪われ、その支配下にある人びとの身体的・デジタル上の安全、尊厳、完全性を保護すること(ソーシャルメディアやその他のコミュニケーション・チャンネルにおける人々の好奇の目からの保護を含む)、および偽情報キャンペーンを行わないこと。
  • 正当な手続きなしに自由を奪われたすべての人が、―従来からのチャネルを通じて、またソーシャルメディア上で公に支援を提供してきたICRCのような中立的な仲介者の支援を通じるなどして―家族のもとに安全に戻ることを許可されるようにすること。
  • 国際人道法への遵守を支持し、行動で示すこと。

特に、イスラエル当局は次のことをしなければならない:

  • 直ちに、無条件で、ガザとその住民への自由で妨げのない安全な人道的アクセスを許可し、救命支援の提供を促進すること。これには、包囲された地域における個人と物資の移動の自由、電気と水の供給の回復が含まれる。ただし、これらのサービスへのアクセスの回復は必要ではあるが不十分であり、完全かつ即時の停戦の要請に優先するものではないことに留意すること。
  • 民間人が自由で、信頼でき、安定した、オープンで安全な通信インフラにアクセスできるようにし、彼らが早期警報の受信、人道支援サービスや愛する人々とのコミュニケーション、その他の基本的人権の行使ができるようにすること。
  • 保健医療提供者、人道支援要員、ジャーナリスト、その他特別に保護された関係者の保護を確保する。これには、彼らの活動の中立性を損ない、脆弱性を増大させる、組織的な偽情報キャンペーンの拡散への対処も含まれる。
  • 民間人に対するガザ北部からの避難命令を撤回すること。
  • ガザ地区への違法な封鎖と、現在進行中のパレスチナ自治区の軍事占領をやめること。

民間セクターは次のことをしなければならない:

  • 国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、人権を尊重し、その政策、行動、サービスによるあらゆるリスクや悪影響を軽減する責任を守り、人権尊重の継続を確保するために講じた措置を公的かつ一貫して伝えること。
  • 例えば、プロパガンダを目的とした、地域やその他の場所でのターゲティング広告サービスを顧客が購入していることを見直すなど、事業のすべての潜在的な領域を拡大し、デューデリジェンスの強化に含めること。
  • ハッキング、監視、検閲、その他の脅威からユーザーのアカウントとデータをさらに保護し、不法アクセスに対するインフラを強化するための措置を講じること。
  • サイバー・ユニットを含むイスラエルの公的機関によって提出された、法律または条項に基づいて行われた政府要請の完全な透明性を確保すること。最低でも、コンテンツの強制執行の種類、アラビア語で削除されたコンテンツの量、制限の法的根拠を含む政府要請の遵守率に関するデータを開示すること。
  • ユーザーが経験する可能性のあるサービスの制限、制約、変更について、ユーザーに明確に伝えること。
  • パレスチナとイスラエルに関連するコンテンツを管理するために機械学習システムが使用されている場合に、その精度、エラー率、機械学習分類子の指標を含め、透明性を提供すること。
  • コンテンツ推奨システムで使用されるパラメータに関する情報を提供し、特定の情報が個人に表示される理由を説明すること(どの情報が誰に表示されるかを決定するための最も重要な基準を含む)。
  • 人権を損なういかなるサイバー攻撃についても十分に調査し、国家や非国家がスポンサーとなったプロパガンダ活動や偽情報の拡散の範囲を制限し、いかなる制限も法の支配と合法性、正当性、必要性、比例性の原則を遵守すること。
  • 人道法および人権侵害の責任を追及し、被害者の救済へのアクセスを確保するための将来的な取り組みのために、可能であれば、暴力に関する文書を保存し、オープンに共有する用意をすること。
  • この地域で活動する企業に関連する投資家や金融機関に対し、これらの企業の事業行動と上記の要件に関する完全な透明性について説明責任を果たすよう求めること。

グローバルリーダーは、次のことを行わなければならない:

  • あらゆる手段を用いて、紛争当事者や企業に対し、上記の行動を直ちに実施するよう促すこと。
  • 米国を含む各国政府が最近の他の紛争で行ってきたように、必要不可欠な物資やサービスへのアクセスを守るため、封鎖の中止を要求すること。
  • 国際刑事裁判所の捜査能力を財政的・政治的に支援し、ロシアのウクライナ侵攻後に欧州連合(EU)が提案したような、独立した国際法廷やハイブリッド法廷といった別の選択肢を模索することを通じて、戦争犯罪や人道に対する罪の完全かつ透明性のある捜査を求めること。
  • 欧州連合と米国は、イスラエル政府に対し、国際人道法を厳格に遵守するよう求めなければならない。
  • 欧州連合(EU)と米国は、現在進行中の戦争犯罪と人道に対する罪への加担を避けるため、イスラエル政府の対応を支持することをやめなければならない。


    (訳注)

    • Doxing 個人攻撃のために個人情報をWeb上に晒す行為
    • シャドーバニング SNSにおいて投稿したコンテンツが他人のフィードやタイムラインに表示されなくなったり、検索結果に名前がのらなくなったりするような措置がとられること。(Gigazine)

    署名団体

    7amleh – The Arab Center for the Advancement of Social Media
    Access Now
    Accountability Counsel
    Advocacy for Principled Action in Government
    AlgoRace
    ALQST
    Alternatif Bilisim (AIA-Alternative Informatics Association)
    Alternative Press Syndicate – Lebanon
    Annir Initiative
    Arab Center for Cyberspace Research.ACCR
    Asociación Conexión Segura y Libre
    Aspiration
    Association Droits, Justice et Accueil des Migrants d’Afrique et d’Ailleurs (DJAMAA)
    Association for Freedom of Thought and Expression (AFTE)
    Association for Progressive Communications (APC)
    Bloggers of Zambia (BloggersZM)
    Business and Human Rights Resource Centre
    Barracón Digital
    CARD Ethiopia
    Centre for Information Technology and Development (CITAD)
    Centre for Peace Studies, Croatia
    CIVICUS
    Coding Rights
    Common Cause Zambia
    comun.al, Digital Resilience Lab
    Convocation Research + Design
    Código Sur
    DAIR (Distributed AI Research Institute)
    DIG/SEC Initiative
    Digital Rights Foundation (DRF)
    Egyptian Initiative for Personal Rights (EIPR)
    Equinox Initiative for Racial Justice
    Eurasian Digital Foundation
    European Legal Support Center (ELSC)
    European Network of People of African descent (ENPAD)
    European Sex Workers Rights Alliance (ESWA)
    FairSquare
    Fight for the Future
    Foundation for Media Alternatives
    Fundacion InternetBolivia.org
    Fundacion Karisma
    Global Voices
    Gulf Centre for Human Rights (GCHR)
    Hand in Hand Against Racism
    Hijas de Internet
    INSM Foundation for Digital Rights
    INSPIRIT Creatives NGO
    International Network of Liberal Women (INLW)
    International Press Centre (IPC)
    International Service for Human Rights (ISHR)
    Intersection Association for Rights and Freedoms – Tunisia
    Jordan Open Source Association (JOSA)
    Kandoo
    KISA – Action for Equality, Support, Antiracism (Cyprus)
    LaLibre.net Tecnologías Comunitarias
    Libya Crimes Watch (LCW)
    Libyan American Alliance
    Lucy Parsons Labs
    Majal.org
    Masaar-Technology and Law Community
    May First Movement Technology
    MENA Rights Group
    Next Billion Network
    NOVACT Institute for Nonviolence
    Nubian Rights Forum
    Numun Fund
    Open Observatory of Network Interference (OONI)
    Purposeful
    Red Line for Gulf
    Refugee Wellbeing & Integration Initiative, Netherlands
    RosKomSvoboda
    SMEX
    Solidarité Laïque Méditerranée
    SUDS – Associació Internacional de Solidaritat i Cooperació
    Sukaar Welfare Organization
    Sukuamis | Saberes y Sanacion
    Sursiendo
    Statewatch
    Surveillance Resistance Lab
    The Syrian Center for Media and Freedom of Expression (SCM)
    Taiwan Association for Human Rights (TAHR)
    Taraaz
    Techies for Reproductive Justice
    The Tor Project
    Transgress Digital Collective
    Tunisian United Network
    Waterford Integration Services, IRELAND

    個人

    Adam Shapiro, DAWN
    Adel Abdel-Sadek, Writer and CEO of ACCR
    Afsaneh Rigot, Director and Founder, De|Center
    Ahmed Galai, human rights activist, Tunisia
    Alex Argüelles, technologist
    Amanda Bennett, IT & cybersecurity professional
    Ana Elvira García López, Coordinator of the Circle U.Think and Do Tank on the Future of Higher Education, Master MiM alumni
    Apirak Nanthaseree, Lawyer, Rising Sun Law
    Arpita Appannagari, reproductive freedom advocate
    Asli Telli, Digital Rights Researcher and Activist
    Azamaare S., Technologist and community organizer
    Chatmanee Taisonthi, Lawyer, Rising Sun Law
    Cyrus Sayah
    Dalia Impiglia, master student, Global Campus of Human Rights
    Dr. Mirjam Twigt
    Ekaterine Kolesnikova, Master MiM alumni
    Hajira Maryam, Media Manager, journalist
    Jillian C. York, EFF
    Judith Membrives i Llorens, Digital Rights Activist – Algorights
    Kinan Alajak, Director, Refugee Wellbeing and Integration Initiative / Assistant researcher, Utrecht University

    Koen Leurs, associate professor, Utrecht University
    Lassane Ouedraogo, Former Chairperson & Board of Directors, Africa Solidarity Centre Ireland
    Lena Richter, Master MiM alumni; PhD researcher
    Luca Stevenson, ESWAdR
    Luke Olynyk, human rights advocate
    Matt Mahmoudi, Affiliate Lecturer, University of Cambridge
    Meera Ghani, human rights defender
    Mher Hakobyan, human rights advocate
    Nada Baher, Master MiM alumni
    Nicole Lopez, Director of Technology, reproductive freedom organizer
    Nissaf Slama, human rights activist
    Novita Pratiwi, workers
    Øyvind Hanssen, board member, EFN
    Raphael Tsavkko Garcia, Journalist
    Rebecca Ballard, ESG
    Rebecca Williams, ACLU
    Safiya Umoja Noble, Author, Algorithms of Oppression
    Saloua Abdou Elaniou, Master MiM Alumni
    Sofia Enault, Master MiM alumni
    Tuuli Sauren, Art Director, Humanrights activist
    Vladimir Cortés, master student, Global Campus of Human Rights
    Yigit Aydin, ESWA

    https://www.accessnow.org/press-release/palestine-israel-physical-digit…