【おすすめ本】信濃毎日新聞社編集局 編『鍬を握る 満蒙開拓からの問い』─国策が招いた悲劇の証言そして記録の継承へ=加藤聖文(駒澤大学教授)

1 week 6 days ago
 「満蒙開拓」と呼ばれ た国策によって、約27万人が満洲国へ開拓民として送り出された。 そのうち3万3000人を送り出したのが長野県。全国最多である。しかも、その数は突出していた。熱狂と混迷が絡み合いながら進められた送出、敗戦時の集団自決と引揚の悲劇、さらには戦後の再入植から中国残留日本人の帰国問題にいたるまで、県内では満蒙開拓にまつわる歴史が、そこかしこ至る所に刻まれている。 しかし、その長野県でも満蒙開拓の記憶の風化が著しい。生き残った元開拓団員も激減、残留孤児ですら80..
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